痛風の基礎知識

 

プリン体の過剰摂取が問題とされるのは「痛風」を発症する原因となるからです。この痛風発作の原因は尿酸という物質なのですが、尿酸はどんな人でも体内には一定量があって、これが血液などの体液に溶けて循環しながら、尿の中に濾し取られて排出されます。

 

但し、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇してしまって飽和濃度を越えると、これは体内にどんどん蓄積していきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと塩を作って結晶となり、尿酸濃度が高い状態が続くことで、今度は尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着します。

 

痛風発作はこうして尿酸塩に対して体内防御機構である白血球が反応することで起こるのです。尿酸塩が関節に溜まって痛風発作になりますが、実は他の臓器にも溜まっていきます。特に腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能にも注意が必要となります。

 

又、痛風の人は心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高く、痛風発作の激痛は治療が必要だという警告と考えてください。痛風の原因となる尿酸は炭素、窒素、酸素、水素の分子から出来た化学物質で、プリン体と呼ばれる物質のひとつですが、実はプリン体にも多くの種類があって、これらが最終的に分解されて尿の中で捨てられる形になったものです。

 

尿酸の素になる物質は、DNAやRNA(核酸)、ATP(アデノシン三リン酸)などの生体エネルギー物質で、こうした物質の老廃物として、体内で一日約0.6gの尿酸ができます。この尿酸の産出が多い場合や排泄低下によって尿酸が体内に蓄積して痛風になります。つまり、プリン体のゴミ処理がうまくいかないと痛風になるのです。